回顧録 vol.5

2nd Single 「kiki」

 

今作は全作品の中でイレギュラーというか、転換期というべきか。

簡単に言うと「変化」を求めてた。

自分でやってたジャケット、レコーディング&サウンドエンジニアなどの環境を変えた唯一の作品。

なので唯一 音が違う感じになってます。

特にドラム。「レコーディングはドラムで決まる」と思い知らされました。

 

先ずはジャケット。

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この頃はよくdigme outというカフェに行っててそこで紹介してもらったWalnut氏にジャケットを依頼。Walnut氏はその後サマソニの物販やマルジェラのデザインで羽ばたいていきました。Beck / Guerroや手書きのラフな感じでって話をしてて、自分ではやらないバンド名とタイトルを前面に出してもらった。

 

 

レコーディング&サウンドエンジニアとミックスは8otto Dr./Vo. マエノソノさん(以下マエソンさん)。

新神楽のライブで8otto Ba. トラさんのお父さんと知り合ってイベントオファーがあり(お父さんがイベントする斬新さ)そのイベントのPAをマエソンさんが担当してたのがキッカケ。

当時、と言うかバンドはじめた初期から8ottoの事は知ってて(ライブもガンガン行ってたし)まさか関わってもらえるとは思ってなかったのでリハから鬼緊張。

 

うちのメンバーにも8ottoの話しはもちろんしてたけど、顔までは知らなくて「かじくん、リハからめっちゃ緊張してるけど」って言うてきた牧野がタバコをふかしドカッと座ってるソファの後ろに8ottoのポスターが。

「後ろ見ろ!」と指指したら「早く言うてや!」と若干怒られた。

その日の打ち上げでも緊張で全然喋れなくて… メンバーはガンガン喋ってたけど笑。

無知って凄いなと思った…。

そんな機会もあってか、偶然同じスタジオを使う様になり最近録音やりはじめたから一緒にやろうと話してくれて録音をお願いしました。

 

 

楽器録音場所は2つ。

メインの「kiki」は自然の鳴りや空気感が欲しくて天井の高いclub vijon、残り2曲は普段使ってたstudio do-doにて録音。

ボーカル録音とマスタリングは稲田さん立会いの元、M4IIスタジオ。

ミックスに関してはちょうどその頃にマエソンさんが別のバンド Muddy Apesをやりはじめてレコーディングの為に渡米したりでPCでやってくれてました。

この頃辺りからこまちゃんがボイトレに行ったり、村ちゃんがドラムレッスン受けに行った時期やったかな。

メンバー4人とも独学で、特にボーカルは出し方でどんどん変わっていきました。

 

 

1. 発狂する唇

バラードを作ろうと意気込んでスタジオに入ったんですが…。

イントロ〜Aメロまでのリフは僕が。サビのコードとメロディは牧野。A、Bのメロディはこまちゃん。と、少しややこしい作曲方法なんですがうちでは割とあります笑。

2回目のサビ前ブレイクが半拍になっててライブでたまにズレたりしてました。すみません、練習します…。

基本は8/8拍子。間奏の途中、ギターだけ6/8になり不協和音スレッスレのサイケデリックな曲に仕上がりました。あいつ毎回よく弾けるなと感心してます。気を抜くとつられてわけわからんくなるので僕も村ちゃんも間奏のギターは聴かないことにしてました笑。

タイトルは佐々木浩久監督の発狂シリーズ 映画「発狂する唇」から拝借。

 

2. スロバキアより愛を込めて

出来た時に皆が「これこそB面に入るべき曲」と生まれた瞬間 勝手に運命づけられたナンバー。

ハネたリズムから一転しBメロ、ラストのサビと表情豊かなんですが何回聴いてもやはりB面。

タイトルは映画「ルパン3世 ロシアより愛をこめて」をもじって。

因みにスロバキアには行ったこともないし、メンバー4人そのような家系は見あたりません。

 

3. kiki

牧野が作曲のタイトルナンバー。

今までだいたい2〜4コードだったのが、倍の8コードぐらいに増えて覚えるのにちょっと苦労しました。慣れや慣習の恐ろしさ。

メジャーコード + 牧野のピッキングや自然のリバーブ具合と歌詞が相まって慈愛に満ちた曲に。この曲を歌ってる時のこまちゃんは全ての罪を受け止め母なる大地で包み込む…そう、マリアです。

ライブでは鉄琴を奏でてからベースを弾き、大サビではドラムペダルにタンバリンを付け踏みまくる 最早1人チンドン屋状態の時もありました。

因みにこの曲でMVを作ろうとしてたんですが頓挫。

タイトルは映画「魔女の宅急便」から。

因みにこの時までずっと黒猫ジジをキキやと勘違いしてました。

 

 

 

余談として、マエソンさんのもう1つのバンド Muddy ApesのメンバーにLUNA SEAのGt. INORANさんがいて、レコーディングで渡米してる間「kiki」のミックスしてた時にINORANさんが「良い曲」だと褒めてくれたみたいです。

マリアはこまちゃんじゃなく、INORANさんでしたね。

トラさんがPangeaで働いてたこともあり、Pangeaでライブやりはじめたのもこの頃ですかね。マエソンさん、トラさんにはお世話になりっぱなしです。

 

使用機材は変わりなく、ベース本体が解散まで使うことになるEl・Mayaに変わりました。